How To Tune-Up
 
1.滑走面について

材質の説明
シンタードベース1000〜
加工がしやすく、工場で一番よく使われている
エレクトラベース/グラファイトベース
10%〜20%のグラファイトを混ぜたもの。シンタードよりWAXの吸収は悪くなる。
その他
WAXは分子量が大きいほど吸収性が良いが、分子が大きく水滴を作るゾーンが少なくなる為滑走性が落ちる。
分子量が多いエレクトラグラファイトベースは、水滴が出来るゾーンが多く滑走性は高い。しかし手入れを良くしないと酸化しやすい。

2.チューニングの必要性

ニューボードでもサンディングなどのチューンナップは必要なのか?
エッジは角度調整、ソールはストラクチャーなど目の粗さを調整、WAXは雪質に合わせる必要があります。
簡単にできるチューンナップ(素人にもできるチューンナップ)
初心者または一般の人のエッジのメンテナンスは、ファイルなどで削らずダイヤモンドでなぜるようにバリをとるだけにして下さい。ダイヤモンド1個くらいは持っていてもいいと思います。ダイヤモンドはファイルと比べるといきなりエッジを削らないので、エッジの落としすぎなどの失敗は少ないでしょう。ストーンはだんだん減ってきて溝ができてしまうし、ペーパーは多少くいこんでしまいます。
滑走の際に関係のない、ノーズ部分とテール部分のエッジをダリングする。(丸める)
ソール側のエッジを落とす時の注意点
a まずは何もしないでノーマルの状態で乗ってみる。
b 乗った時に気づいた事についてデータを集める。
例えば、ノーズ、センター、テール各部分のバックサイド、フロントサイドについて考えてみる。
c そのボードの性質をよく理解してやる。
例えば、サイドカット(深い・浅い)、キャンパー、長さ、硬さ(硬い・柔らかい)。
サイドエッジについては、ベースエッジとの関係があります。
もちろん、ハードな雪面、柔らかい雪面なども関係してきます。
アルパインボードとフリースタイルボードのチューニング
フリースタイルボードのほうがチューニングしてやるとわかりやすいでしょう。
なぜか?サイドカットが深く、スムーズなエッジングはねじれやすいボードほどわかるでしょう。
アルパインボードは種目によって変える。
SLは切り替えが速く、フロントサイド、バックサイドが、ライダーのスタイルに合わせているため、かなり異なる。(カービングタイプ、グラインドタイプ)
GSは、ボードがより長くなってくるためエッジングの時間も長くなっています。

滑走面の作り方(ストラクチャー)
新しい雪、細かい雪
サンドペーパー 240〜250
古い雪、粒の粗い雪
サンドペーパー 130〜150

※注意
・必ずノーズからテール方向に向かって入れること。
・ケバを取る作業を必ず行い、何度もクリーニングWAXを繰り返す
エッジを削りやすくする為ボーダー(サイドウォール)も少しチューニングします。
もちろん雪面にくい込みやすくする為です。

3.エッジのチューニング
エッジの角度
・フリースタイル 0°〜88°
・アルパイン SL 0°〜88°
・アルパイン GS 0°〜87°
・アルパイン SPGS 0°〜86°

部分的にエッジの角度を変える意味
■フリースタイル
ファイル1〜1. 5本分 1°〜2°0°〜1°

スタンスがボードに対して横に向いている状態が多いため、フロントサイド、バックサイドともに角度を対称にセッティングすることが多い。


■アルパインSL非対称

テール形状が非対称になっているため、フロント、バックともに、セッティングは対称にすることが多い。


アルパイン対称

非対称テールに比べて の部分があるおかげで安心でもあるが、ひっかかる、またはターンの抜けが悪いという事もある。

SL に関しては、前足のつま先側、かかと側が基準になる。

上記のA部は、B部に比べてビベリング角度もあまくしてある選手が多い。


■アルパインGS対称

ライダーの癖や好みにもよりますが、だいたい上記のように分かれます。
A部のノーズ部はフロントのきっかけが早くスムーズになり、テール部ではテールの抜けがよくなります。
B部も同じ感覚ですが、ビベルの度合いまたは長さが変わります。
私はこのチューニングを非対称チューンと呼んでいます。



■アルパインSPGS対称

先ほどのGSと同じですが、SPGSボードが長くなるという事でプラスC部と考えてください。
ボードが長くなればなるほどボードのエッジも長くなり、安定感を感じる反面ひっかりも気になります。

総評

SL はエッジの切り返しが早く、特にスライドの運動が多くなります。
したがってビベル角度も多くなります。
GS、SPGSはカービングの運動中ズレが最小限でしかもとらえも早く抜けも早くしてやるのが目的です。
もちろんテール部をフラット0°にするライダーもいます。
彼らはエッジを早くとらえて感覚を得るのを好むタイプだからでしょう。
部分的に角度を変えるねらい それは・・・
ボードがたわんだ時というのは、ノーズ、センター、テールの各部分は雪面に対してそれぞれ角度が違います。
この事からこの考えが生まれました。
特に、スノーボードは1枚のボードでフロントサイドターン、バックサイドターンを行います。
この動作の運動はスノーボード特有で、このターンの切り替えをスムーズにすることで、タイムロスを防ぎカービングの楽しさを味わえると思いました。

私のチューニングはライダーのフィードバックをメインで色々新しいことにチャレンジしています。
従来の発想とは違う角度から生まれていると思います。


4.WAXの手順
滑走面を作る
エッジを作る
クリーニングする
下地を作る
オーバーWAX(フィニッシュWAX)を塗る
基本的には上記の手順で行います。
もっと詳しく見てみましょう。


クリーニングWAX 下地WAX フィニッシュWAX スタートWAX

a クリーニングWAXに使用するタイプ
きれいになるまでパラフィン系のワックスを使って何度も繰り返しワキシングして剥がす。
b フィニッシュWAXを塗る前に必要なWAX
パラフィン系の冷たいワックスを使用します。 温度的には-15°〜-25°に使用するWAXを使います。 汚れ、水分からソールを守ります。(固いWAX)
c フィニッシュWAX
あらかじめ集計したデータに基づき、当日の外気温、雪温、温度、雪質に合わせて混ぜ合わせます。ワックスはスクレープをしっかり行います。その後、丁寧にブラッシングします。

極秘テクニック パート1
両サイドのエッジ付近に固いWAX(セッティングしたWAXよりも少し固いもの。グラファイトWAX)を生塗りします。
その後にいつもどおりのやり方でワキシングします。

極秘テクニック パート2
フィニッシュWAXに使用するものの中で、メインになると思われるワックスで生塗りします。
その後にセーラを温度に合わせて生塗りします。
ホットワキシングする場合はペーパーをアイロンに当てて行います。
スタートWAXは少し温かめのワックスを生塗りしてからセーラをぬってもいいし、セーラのみを生塗りしてもよい。
極秘テクニック パート3
コールドは初速を出します。ウォームは伸びを出します。
場合によっては混ぜ合わせることもあります。
サイドウォールにもセーラを塗ります。

極秘テクニック パート4
合わなかったWAXを出来る限り滑るようにしたい時は?
冷たくしすぎた場合
それよりも少し温かいWAXを生塗りし、コルクでこすります。
そしてブラッシング。これを2〜3回繰り返します。
温かくしすぎた場合
それよりも少し冷たいWAXを生塗りし、コルクでこすります。
そしてブラッシング。これを2〜3回繰り返します。

総評
クリーニングWAXの時からスクレープ、ブラッシングをしっかり行います。
ブロンズブラシ コンビ ナイロン 馬毛ブラシ の順に使います。
最後に馬毛またはポリッシャー。
サイドウォールについたWAXも必ずきれいに取り除いて下さい。もちろんデッキもです。
どれひとつとっても減速の要素がないようにしておいてください。
滑走面は日ごろからのメンテナンスの積み重ねの答えがそのまま出ます。
日ごろから手入れのよいボードは、滑る確率も高いです。
ワックス成分で滑らすというよりも、汚れから守るということに気をつけてください。
リフト下の油、グリスは特に注意して下さい。ソールを悪くしてしまいます。
出来る限りその日の汚れはその日のうちに落とすようにして下さい。
ソールをいつもきれいにしておくことが大切です。
リムーバーはなるべく使わず、クリーニングWAXを何度も繰り返してください。
しかしどうしてもひどく汚れてしまい、リムーバーを使用する場合は、その後が大切です。
何度もクリーニングWAX(2〜3回)をかける必要があります。
 
5.ワクシング  
■ワックスをうまくかける為のポイント
  1. アイロンの温度は90℃〜125℃(ワックスによって異なる)にする

  2. WAXをケチらない
    WAXが少ないと、アイロンがソールに直接当たってしまい、焼きやすい。
    ケアーとして、アイロンをかける前にWAXの生塗りをしておくとよい。

  3. ボードは温かくなるとWAXの吸収がよくなり、WAXも長持ちする。

  4. WAXの温度チャートが正しいとは一概には言えませんが、スノーボードはスキーよりも少し温かめが良いでしょう。
6.雪質について
  1. 新雪 ・・・雪の結晶がはっきりわかる
  2. 粉雪 ・・・雪の結晶がかなり細かく気温が低いときによく降る
  3. 乾いた雪 ・・・空気をよく含む為とても軽い
  4. 締まった雪 ・・・積もりやすい雪で、寒い時によく降る。湿度が多いためかなり固い雪質になる。
  5. 古い雪 ・・・降ってから何日もたち、溶けたりして雪の結晶の形がほとんど残っていない。ザラメ雪。
  6. 汚れた雪 ・・・ゲレンデが道路に近いと車の排気ガスなどで雪が汚れやすい。岐阜方面など、低い山に多い
  7. 人工雪 ・・・機械で作り出した雪なので、水分を多く含み、湿度の高い雪の場合が多い。しかしコースに水をまいたりすると、締まった雪に近くなる。
7.WAXの選択
  1. 雪質を見る
    新雪か、汚れた雪か、しまった雪か?など特に重要なのは水分です。湿度が高いか低いかで決まるといっても過言ではない。

    • 新雪の場合 ・・・結晶が角々しくはっきりしていて、固めのWAXが適していると思いますが、フッ素入りの物を使用する場合は、湿度が高いほどフッ素の純度を多くして、湿度が低いほどフッ素の混ぜ合わせを少なくする。

    • 汚れた雪 ・・・一般的にはグラファイト系の物(黒色のWAX)を使うと良いといわれています。その為には下地のWAXがかなり重要になってきます。

    • 締まった雪 ・・・水分をよく含んでいると思われます。これも下地が重要。

  2. 2〜3日前(場合によっては1週間前)に雨は降っていなかったか?などゲレンデの状況を知る。

  3. 斜面の向き
    日光は当たる方向か?日陰になるか?風を受けやすいか?自分のスタート時間はどうか?(大会時)


  4. 斜面のインスペクション
    自分で考えて、緩い斜面でよく走るようなWAXに合わせる。

  5. 当日の天候を予測する

  6. 自分のスタート順(時間)を確認し、その時の太陽の位置をしっておく

  7. コースの状態を調べておく
    海が近くにないか?または池が近くにないか?など

  8. 地元の人やスキー場で働く人に話を聞いて詳しいデータを集める

  9. 湿度も重要なポイントとなる為、忘れずに調べる。

  10. 大会当日のレースコース作りについて、TCなどで情報を得る。
    硫安をまくのか?水をまくのか?塩をまくのか?デラ掛けは何人目で入れるか?
8. 旬のWAX情報
このページには、大会ごとにベストなWAXの情報を載せていきます。
開催日: 2000年3月26日
大会名: 乗鞍カップ
種目: DUL
スキー場: 乗鞍高原スキー場
コースレイアウト: 緩斜面〜中斜面
コース状況: 下に固いのがあり上に新雪
計測時間: AM8:30
計測場所: スタート地点
外気温: -6.5℃
湿度: 62%
雪温: -4

 
ライダー1
ボード: FP60 01
クリーニングWAX: SWIX CH10〜CH8/3
下地WAX: SWIX LFG6〜LF6〜HF8+LF7
フィニッシュWAX: SWIX HF7+LFG6
スタートWAX: FC200ソリッド
評価
スタート: 8
出足: 8
伸び: 8
総合評価: 8

 
ライダー 2
ボード: MOSS
クリーニングWAX: ホルメンコール
イエロー〜イエロー+コールドパウダー
下地WAX: ホルメンコール
6/15+GW25(5%)
フィニッシュWAX: ホルメンコール
0/2+GW25(0.5)+0/10(0.5)
スタートWAX: パウダー
評価
スタート: 9
出足: 9
伸び: 9
総合評価: 9

 
結 果 前日とほとんど変わらない天候。グラファイトベースにした方が良かったらしい。今日はすべてのボードにいれてみた。ソルダーも結構滑った。全体的には0/2の方が良く走った。外気は吹雪いていてかなり寒い。雪温は意外に高く-4℃。この状態がグラファイトが良かったのか。フッ素も多めが良かった。
修理 例へ
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